介護報酬が改訂しました

改訂の基本的視点は

令和6年度介護報酬改定において、小規模多機能型居宅介護に関する改定事項が発表されました。以下に主な変更点をご案内いたします:

1. 基本報酬の見直し:
   • 同一建物に居住しない利用者に対する場合の単位数が改定されました。例えば、要支援1の場合、改定前は3,438単位でしたが、改定後は3,450単位となりました
2. 総合マネジメント体制強化加算:
   • 総合マネジメント体制強化加算が改定され、新たにⅡの加算が導入されました。具体的な単位数は1,200単位/月です
3. 業務継続計画未策定減算:
   • 業務継続計画未策定の事業所に対する減算が導入されました。減算の基準は所定単位数の100分の1に相当する単位数です
4. 高齢者虐待防止の推進:
   • 高齢者虐待防止措置未実施の場合、所定単位数の100分の1に相当する単位数が減算されます
5. 身体的拘束等の適正化の推進:
   • 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会の開催や指針の整備が求められます
6. 認知症対応力の強化:
   • 認知症加算が改定され、ⅠとⅡの加算が導入されました。認知症介護実践リーダー研修修了者の配置や専門的な認知症ケアの実施が評価されます

これらの改定は、介護サービスの質向上と利用者の安全を目指して行われています。詳細な情報はこちらでご確認いただけます。

小規模多機能型居宅介護を利用している要介護５の母の場合

母の利用料金は1割負担で約300円増えました。母が利用している施設では、認知症加算が減らされ、介護保険による認知対応力の向上がその理由です。

母は総合マネジメント加算が増加していますが、これは定期巡回や小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護で、利用者の状況に応じた計画の見直しや地域との連携に基づいて算出されます。対象事業者は包括的なケアを提供しており、内容が外部からは見えにくいものです。算定要件がどのように満たされているかの説明が利用者や家族、後見人にとって有益です。ケアマネージャーは介護報酬の改訂に伴う金額の変更の説明をすることがありますが、算定要件を具体的にどのように満たしているかの説明があると、より理解が深まります。認知症の母の代弁者として、介護報酬改定の利点を享受できるよう適切なタイミングで確認したいと思います。

日本の介護保険制度と介護報酬の改定について

日本の高齢化社会において、介護サービスは非常に重要な役割を果たしています。小規模多機能型居宅介護は、その中でも特に利便性が高く、訪問介護、通所介護、宿泊介護を一体的に利用できる点で多くの家族に支持されています。利用者の負担も考慮され、要介護度に応じた月額定額報酬制度が設けられており、加算制度によって質の高いサービス提供が可能となっています。

しかし、利用者の家族にとって、介護報酬の改定は大きな関心事です。3年ごとの定期改定に加え、社会情勢や政策の変化による臨時の改定があり、利用料金に影響を及ぼすことがあります。この改定は、高齢者虐待防止、身体的拘束の適正化、認知症対応力の強化など、介護サービスの質の向上を目指すものです。これらの改定は、在宅介護を続ける家族にとって、サービスの継続性や予測可能性をもたらす重要な要素です。

介護保険制度と介護報酬の改定は、日本の介護サービスの質を維持し、向上させるために不可欠です。これにより、利用者とその家族が安心してサービスを受けられる環境が整い、社会全体の福祉が向上します。今後も、利用者と提供者の双方にとって公平で持続可能な制度設計が求められます。